阿蘇の広い空と草原が、焦らず整える回復の時間を支えます。
KUMAMOTO RECOVERY HOME
一般社団法人ひごのいえ
熊本県上益城郡御船町
熊本の大自然の中で、 人生を再出発する。
依存症は回復できる病気です。適切な支援と環境、仲間とのつながりがあれば、希望ある未来を取り戻すことができます。
熊本・御船町の依存症回復支援施設。秘密厳守のご相談から生活再建まで医療・福祉と連携し、多様な依存とご家族相談に伴走します。
阿蘇の広い空と草原が、焦らず整える回復の時間を支えます。
穏やかな海の光が、心を落ち着け、明日への一歩を後押しします。
九州の自然のリズムに合わせ、生活と心を少しずつ取り戻します。
阿蘇と天草の自然環境で、自律神経と生活リズムを再構築する土台を整えます。
医療・福祉・家族連携を丁寧に束ね、再出発に必要な評価・計画・伴走を一人ひとりに合わせて設計します。
回復だけでなく、個性を尊重し合い、人生を再設計する「家」として機能させます。
RECOVERY PROGRAM
ひごのいえのプログラムは、生活リズムの再建、グループワーク、医療・心理支援、自助グループの考え方を取り入れながら、「誰と生きるか」を何より優先して設計しています。
栃原晋太郎代表理事をはじめ、医療・心理・ピア・生活支援のチームが、入所初期から退所後まで、一人ひとりのペースで伴走します。
回復の本当の勝敗は、カリキュラムの名前や、どれだけ早く「卒業」したかでは決まりません。
依存症からの回復は、一生続く長距離走です。短距離走のように成果を急ぐのではなく、極めてスローなペースで、心と体と人間関係を、少しずつ取り戻していく旅路です。
だから、私たちが最も大切にしているのは、プログラムの種類や内容の多さでも、在籍期間の長さでも、優秀に卒業したかどうかでもありません。
回復の初期に、誰と暮らし、誰に憧れ、誰と朝昼夜のできごとを分かち合ったか。その人間関係の質こそが、何年後の再発予防の核になる――私たちは、長年の現場で、何度もそれを目の当たりにしてきました。
孤独のなかで耐え続けた人ほど、信頼できる誰かの「おはよう」「おつかれさま」に救われます。失敗を隠さなくてよい仲間がいるほど、衝動の夜を越えられるのです。ひごのいえは、スコアやランキングで人を評価する施設ではありません。安心して素の自分を見せ合える関係の場を、熊本の自然とともにつくる施設です。
「もう終わりだ」と思えた夜にも、朝は必ず来る。回復者とスタッフがその事実を、言葉と態度で何度も伝えます。小さな成功体験を積み重ね、未来への想像力を取り戻します。
飲酒・使用・ギャンブル、隠していた気持ち、家族への怒りまで――正直に話せる関係が、再発予防の土台になります。責めるのではなく、共に事実を見る対話を徹底します。
心身の安定、生活リズム、対人関係、社会との再接続。すべてに時間をかけ、焦らず整えます。回復は「直す」だけでなく、「つながり直す」営みだと信じています。
多くの依存症リハビリ施設と同様、入所初期は生活の安定、中期は心と行動の整理、後期は社会との再接続を目指します。
ひごのいえでは、各段階で「誰と何を分かち合うか」を計画の軸に置きます。
起床・睡眠・三食・清掃・服薬・通院を、同じリズムで過ごす仲間とスタッフとともに再建。断酒・断薬の不安を、一人で抱え込まない環境をつくります。国内施設で重視される「生活リズムの回復」を、共同生活のなかで実践します。
個別面談、グループワーク、ピアとの対話、認知行動的な整理、感情の言語化。12ステップやリカバリー・ダイナミクスに触れる機会も用意し、「正直に話す」「聞く」練習を重ねます。憧れられる回復者との出会いが、ここで芽生えます。
家族会、外部との面会、就労準備、自助グループ(AA・NA・DA等)への接続、退所後の生活設計。急いで「卒業」させるのではなく、つながりを保ったまま次の一歩へ進みます。
リハビリ施設で広く採用されている規則正しい生活を、ひごのいえの共同生活に合わせて設計しています。同じ時間に起き、食べ、働き、休む――その反復のなかで、信頼関係が育ちます。
国内の依存症リハビリテーション施設で提供される要素を参考に、ひごのいえで行う主な支援です。
いずれも、最終的には人との関係の質につながるよう組み立てています。
精神科・内科・かかりつけ医と連携。検査、服薬、離脱症状への対応、栄養改善。体調不良を「甘え」にせず、支え合う文化で受け止めます。
トラウマ、喪失、怒り、うつ、不安を、段階的に言語化。秘密は守り、本音を吐き出せる「一人の大人」の関係を築きます。
日々の振り返り、感情の共有、フィードバック。国内施設の中心となっている集団ワークを、安全なルールのもとで継続します。
回復経験のあるスタッフが、同じ道を歩んだ先輩として伴走。「あのとき、自分もそうだった」という言葉が、希望と現実感をくれます。
睡眠・食事・入浴・掃除・洗濯・予算管理。再発しやすい夜を越えるための、見える化された日常の型をつくります。
思考と行動のパターンを整理し、衝動が来たときの具体的な行動計画を、スタッフ・仲間と紙に書き、共有します。
AA・NA・DA等の考え方や、回復のための対話の枠組みに触れる機会を設けます(参加は本人の意思を尊重)。
運動、散歩、農作業、創作、九州の自然のなかでの活動。楽しさと達成感を、薬物や酒の代わりに体験し直します。
家族会、個別面談、境界線の整理。責め合わず、回復の仲間として再び向き合う対話を支援します。
短時間の作業から始め、生活と仕事の両立を設計。退所後も、つながりを切らないフォローを重視します。
女性が安心して過ごせる専用環境。女性スタッフによる支援、女性特有の課題への配慮(希望者向け)。
グループホーム、通所、自助グループ、医療機関との接続。一人に戻さないための、関係の橋渡しを行います。
依存症は、脳と行動の病気です。同時に、つながりの欠落や歪みと深く結びついている病気でもあります。使ってしまう夜、多くの人は「誰にも言えない」「誰も自分を分かってくれない」と感じています。
回復初期に出会ったスタッフの眼差し、仲間の「おはよう」、憧れの先輩の背中、家族の一言――それらが、心のなかに新しい物語を書き始めます。「自分は、こういう人たちと生きていいんだ」「失敗しても、まだ戻れる場所があるんだ」という物語です。
その物語が薄れてしまうと、再発のリスクは静かに高まります。だからひごのいえは、カリキュラムをこなすこと以上に、信頼できる人間関係を育て続けることに力を注ぎます。施設を出たあとも、その関係が地域のなかで広がっていくよう、退所前から設計します。
一般社団法人ひごのいえ 代表理事 栃原 晋太郎
依存症回復支援の現場で培った経験をもとに、技法だけでなく「安心して暮らせる関係」を最優先にプログラムを設計しています。
もし今、プログラムの名前や期間、費用ばかりを気にして迷っているなら、ひとつだけ思い出してください。回復で本当に残るのは、修了証ではなく、心に残った人との記憶です。
誰と暮らし、誰に憧れ、誰と日々を分かち合ったか。その質が、あなたの回復の色を決めます。私たちは、早く優秀に卒業する人を増やす施設ではありません。何年経っても「あのとき、あの場所で、あの人たちと生きられた」と思える人を、一人でも多く増やす施設でありたいのです。
熊本・御船町の空気のなかで、一緒に長距離走を続けましょう。最初の一歩は、相談の電話からで大丈夫です。
参考:国内の依存症リハビリテーション施設で一般的な要素(生活リズムの再建、グループワーク、12ステップ・自助グループ、認知行動的アプローチ、医療連携、家族支援、就労準備等)を、ひごのいえの理念に合わせて整理した概要です。個別のプログラム内容・期間は、お一人おひとりの状態に応じて調整します。
WOMEN ONLY · RAPPORT
2025年3月24日開設。利用者・スタッフともに女性のみの空間で、依存症と向き合いながら、トラウマや役割の重荷から少しずつ距離を取り、「自分のための回復」に集中できる拠点です。
国内では女性専用の回復施設が極めて少なく、「ここなら安心できる」と感じられる場所を探すだけでも大きな負担になります。らぽーるは、その負担を減らすために設計されています。
薬物・アルコールなどの問題を抱える女性の多くは、暴力・虐待・搾取などの傷つきを背景に持ちます(国内・海外の調査)。だからこそ、安全が先の環境が回復の前提になります。
出典の目安:国立精神・神経医療研究センター・法務省協力調査(2023)、Najavits 他(1997)等。個人差は大きく、らぽーるでは経験の有無にかかわらず尊重して支援します。
女性専用施設の利用をためらう理由は、依存そのものだけではありません。らぽーるは次の不安ごとに、具体的な仕組みで応えます。
※相談現場・研究レビューに基づく「よくある不安」の重要度イメージ(%は相対比較)。個人の優先順位は異なります。
トラウマインフォームド・ケア、女性専用施設のベストプラクティス、ひごのいえの支援哲学を統合し、らぽーるで特に重視している要素です。
混合施設では、男性利用者・男性スタッフの存在だけで緊張が続き、本音やトラウマの話が出にくいことがあります。欧米のソーバーリビング研究でも、DV・性暴力の歴史を持つ女性は女性専用の住まいで症状・不安・再被害リスクの改善が報告されています。
日本でも、ケア役割(母・妻・娘)を求められながら依存と戦う女性が多く、「自分の回復の時間」が後回しになりやすい構造があります。らぽーるは、その構造に名前をつけ、いったん役割から離れる許可を出す場所です。
睡眠・食事・入浴・服薬・通院。再発しやすい夜を越えるための、見える日常の型。
感情の言語化、安全な対話、必要に応じた専門機関への橋渡し(無理な開示は求めません)。
衝動が来たときの行動計画、ピア・グループワーク、12ステップの考え方(参加は任意)。
母・妻としての罪悪感を扱う対話、家族会・境界線、子どもへの影響への配慮。
手続き、日中活動、短時間の作業からの就労準備、退所後のつながり設計。
ホルモン・月経・育児歴・性暴力・搾取経験など、女性特有の話題に配慮した支援。
フランス語の rapport は、信頼関係・心と心のつながりを意味します。依存症の回復でいちばん傷つきやすいのは、「誰にも本当の自分を見せられない」という孤独です。らぽーるは、女性同士の対話・生活・笑いを通じて、そのつながりを少しずつ取り戻す場所です。
完璧な回復を求めるのではなく、今日、安全に過ごせたという事実を積み重ねる。それが、明日への自信になります。
トラウマと依存が重なる場合、いきなり「社会復帰」より先に安全とつながりが必要です。らぽーるの支援は、この順番を大切にします。
※入所直後は第1段階に時間をかけます。段階の進み方は個人差があり、無理な前進はしません。
※曜日・体調・医療予定により変動します。
※受け入れ可否は健康状態・安全面を総合判断します。
| よくある不安 | らぽーるの応え |
|---|---|
| 男性がいて話せない | 利用者・常駐スタッフとも女性のみ。男性の来訪は事前調整・面談室等で配慮 |
| 母・妻としてダメな人 | 役割からいったん離れてよいと明示。罪悪感を扱うグループ・個別対話 |
| トラウマが蘇る | 無理な開示なし。安全な距離・声かけ・専門機関への橋渡し |
| 規則が怖い | 目的を説明したうえで合意。罰ではなく「安全のための線引き」 |
| 子ども・家族 | 家族会・連絡方法の調整。子どもへの説明はペースを尊重 |
| 秘密が漏れる | 秘密厳守。共有は本人同意・法令に基づく範囲のみ |
| 退所後に一人 | グループホーム・通所・自助会・電話フォローで橋渡し |
研究や現場でも、厳しすぎる規則は支援施設への不信につながることが指摘されています。らぽーるのルールは、尊厳を損なわず安全を守るためのものです。
ルールの背景は入所時に説明し、疑問があればいつでも話し合えます。
らぽーるは、一般社団法人ひごのいえの女性専用ユニットです。男性利用者がいる本体施設とは生活動線を分け、必要な連携のみ行います。
入所前は本体で体調・動機づけを整える方、らぽーる後にグループホームへ移る方もいます。切れ目のない「一本道」で設計できます。
同じ依存症でも、女性はケア役割・経済的脆弱性・暴力被害・妊娠・育児など、異なる圧力を受けやすいと指摘されています。混合プログラムでは「男性基準」になりがちな目標設定を避け、女性の生活史に沿った支援が必要です。
個別プランで調整しますが、初期は生活・安全にウェイトを置く例です。
正論で押さえつけず、今日を一緒に設計する — 体験談でも評価の高い姿勢です。
らぽーるで救われたのは、正論で責められなかったこと。「なぜできないのか」ではなく、「どうしたら今日を安全に過ごせるか」を一緒に考えてくれました。
「何を言えばいいか分からない」状態でも構いません。責め合わない関わり方、境界線、連絡の取り方を一緒に整理します。本人の意思を最優先します。
紹介・情報共有・退所後の接続について協議可能です。女性専用環境が必要な理由を共有し、切れ目のない支援網をつくります。
生活空間への立ち入りは、本人・他の利用者の安全を考え、事前調整と別室面談などで対応します。詳細は相談時にご説明します。
まずは状況をお聞きし、医療機関と連携のうえで受け入れ可否を判断します。無理な入所は勧めません。
可能な場合があります。通院・家族連絡・退所後の住まいについて、事前にプランを組みます。
目安は個人差がありますが、数ヶ月を想定し、体調・目標に応じて延長・移行(グループホーム等)を相談します。
支援内容・期間・公的支援の有無により異なります。初回相談で概算と選択肢をお伝えします。
はい。話したくなるまで待ちます。沈黙も、回復の一部です。
はい。無理な勧誘はしません。空気感を確かめてからご判断ください。
※期間は目安です。後戻りしても、また一緒に立て直します。
参考・推論の根拠:国立精神・神経医療研究センター・法務省協力「薬物問題を持つ女性のトラウマ」調査(2023)、近藤あゆみ「女性のためのリカバリー・プログラム SeRA」(臨床心理学 2023)、Covington「Women and Addiction / Trauma-Informed Care」、BCSTH「Women-Centred Housing Design Toolkit」、ダルク女性ハウス・オ’ハナ等の女性専用回復施設の公開情報、Traumatology(SEEDs 女性ソーバーリビング)等。グラフの「不安の重要度」「8つの柱」は文献と現場知見を統合した施設設計上の整理であり、統計調査の再現ではありません。
GROUP HOME
障害福祉サービス「共同生活援助」(グループホーム)に基づく住まいで、依存症回復と生活再建を支援します。
医療・相談支援・行政と連携しながら、地域生活への移行まで伴走します。
障害者が共同生活を営む住居で、主に夜間に日常生活上の援助を受けるサービスです(訓練等給付)。世話人・生活支援員が配置され、原則2〜10名の少人数で地域自立を目指します。支給は一人ひとりの審査で決まります。
※可否・日数は個別審査。相談時に現状整理が重要です。
※18歳以上は所得により負担額が変わります。
※自治体・申請状況により異なります。
生活リズム・服薬・対人・再発予防を重視し、地域生活への移行まで見据えた計画を共につくります。
参考:厚労省「障害福祉サービスの内容」、WAM NET 共同生活援助の解説等に基づく概要。支給可否・負担額はお住まいの市町村の判断です。 厚生労働省:障害福祉サービスの内容
USER GUIDE
初回相談(無料・秘密厳守)から入所・グループホーム・女性専用「らぽーる」・退所後の再建まで、状況に合わせて伴走します。
医療機関・相談支援専門員・自治体と連携します。
入所・グループホーム・女性専用・家族支援を組み合わせ可能。最適な形は初回相談で整理します。
※金額は支給決定・所得等により変動。無理な勧誘はしません。
参考:厚労省「サービスの利用手続き」等に基づく案内。詳細は市町村・相談支援専門員へご確認ください。 厚生労働省:サービスの利用手続き
KYUSHU NATURE
阿蘇の雄大な景色が、前を向く気持ちを静かに後押しします。
緑豊かな風景のなかで、暮らしと心を少しずつ取り戻します。
FAMILY SUPPORT
COMMUNITY ENERGY
20年間の薬物依存と服役を経て、現在は回復者スタッフとして仲間を支援。「一人で抱えない」ことが回復の起点になった体験を伝えています。
借金2000万円と家族離別を経験後、債務整理・就労再建・家族再接続を段階的に実行。生活を整えることが再発予防の鍵だと語ります。
女性専用施設で安心して支援につながり、断酒だけでなく生活全体を再建。子どもとの再会を支えに、回復を継続しています。
18歳で覚醒剤に手を出し、最初は「眠らずに働ける」「気持ちが軽くなる」と思っていました。けれど、使うたびに嘘が増え、約束を破り、人を傷つける自分になっていきました。20代で仕事を転々とし、借金を重ね、暴力団関係者とのつながりも断てず、逮捕3回・服役3回。出所するたびに「もう終わりにする」と誓いましたが、孤独と不安に耐えきれず、数日で再使用してしまう。その繰り返しでした。家族は電話に出なくなり、友人は連絡先を変え、気がつけば誰も私を信じていませんでした。最後の出所の日、迎えに来た人は本当に一人もいませんでした。駅のベンチで夜を明かし、「ここから先は死ぬか、助けを求めるかしかない」と思ったことを今でもはっきり覚えています。偶然、役所の相談窓口で紹介されたのが、回復支援につながる最初のきっかけでした。最初の数か月は、正直、何も信じられませんでした。人の優しさを疑い、指導されると反発し、少し嫌なことがあると逃げたくなる。そんな私にスタッフは、責めるでも放任するでもなく、「今日一日を一緒に整える」ことだけを繰り返してくれました。起床、食事、通院、ミーティング、振り返り。単純ですが、その積み重ねが乱れた生活を少しずつ戻してくれました。再発の衝動が強い日は、過去の失敗を隠さず言葉にし、仲間の前で助けを求める練習をしました。恥ずかしさよりも、孤立の怖さのほうが大きいと理解できた時、回復は進み始めました。今、私は回復者スタッフとして、新しく来られる方に最初に伝えています。「今のあなたがどれだけ壊れていても、回復はここから始められる」と。過去は消せませんが、今日の選択は変えられる。私自身がその証明であり続けることが、支えてくれた人たちへの恩返しだと思っています。
依存症の苦しさは、外からは「意思の弱さ」に見えやすいかもしれません。私自身も長い間そう言われ、最後は自分でもそう思い込んでいました。けれど実際は、病気として適切な支援につながらない限り、根性だけでは止め続けることが難しい状態でした。だから私は、今苦しんでいる方に「あなたのせいだけではない」と必ず伝えます。相談することは負けではなく、回復の責任を引き受ける最初の行動です。昨日まで何度失敗していても、今日助けを求められたなら、それは十分に大きな一歩です。私はその一歩に、現場で何度も救われてきました。どうか一人で終わらせず、つながってください。必ず道は開けます。
—— 田村 健一さん(42歳・仮名)
私は会社員として真面目に働いているつもりでしたが、給料日の夜にパチンコ店へ行く習慣が、いつの間にか生活の中心になっていました。最初は小遣いの範囲で遊んでいたはずが、負けを取り返したくて消費者金融に手を出し、クレジットカードのキャッシング枠を使い切り、気づけば借金は2000万円近くまで膨らんでいました。家では「残業だ」と嘘をつき、通帳も明細も隠し、妻の財布に手を付けたことさえあります。見つかった時、妻は泣きながら「あなたを信じられない」と言いました。それでも私は「もうやめる」と口先だけで謝り、翌週にはまた店に戻っていました。催促の電話が鳴り続け、職場でも集中力を失い、遅刻と欠勤が増え、最終的に退職。妻は子どもを連れて実家に戻り、家は静かになりました。静かすぎて、逆に逃げ場がなくなった夜、元妻から「子どもたちがパパを心配してる」とメッセージが届きました。その短い一文を見た瞬間、自分の人生を壊しているのは運でも景気でもなく、自分の病気だと認めざるを得ませんでした。支援につながってから最初にやったのは、「ギャンブルをやめる」ではなく「生活を整える」ことでした。借金の現状をすべて書き出し、弁護士と相談して債務整理を進め、現金管理と家計管理を第三者と共有し、スマホの決済機能も止めました。衝動が出る時間帯を記録し、危ない場所に近づかないルートを作り、代わりに歩く・話す・休む行動を決めました。正直、地味で面倒で、何度も投げ出したくなりましたが、スタッフと仲間に「今日を崩さない」ことだけを繰り返し支えてもらいました。今は仕事を再開し、返済計画に沿って一歩ずつ進めています。月に一度、子どもと会える時間ができ、長男が「前より顔が優しくなったね」と言ってくれた時、初めて本当に回復している実感が湧きました。ギャンブルをやめることはゴールではなく、家族と信頼を作り直すことが本当の回復だと、私は毎日学び直しています。
もし今、請求書を開くのが怖い人、家族の顔を見るのがつらい人がいたら、私と同じところに立っているのだと思います。私が言えるのは、「状況を隠す時間が長くなるほど回復は遅れる」ということです。逆に、現実を言葉にした瞬間から回復は前に進みます。借金の整理、生活費の再設計、仕事の立て直し、家族との関係修復は、ひとりで抱えると潰れてしまいます。支援につながれば、順番を一緒に決めて進められます。私もまだ途中ですが、途中でも人生は十分に変えられると、今は胸を張って言えます。
—— 佐藤 裕介さん(45歳・仮名)
私は離婚後、子ども2人と離れて一人暮らしになってから、お酒を「眠るための薬」のように使い始めました。最初は缶チューハイ1本だったのに、気づけば朝から飲まないと手が震え、食事も取れず、部屋はゴミ袋で埋まり、仕事も続かなくなりました。体調が悪くても「今日は飲まないと余計につらい」と言い訳し、病院で肝機能異常を指摘されても本気で止められませんでした。ある日、酩酊して転倒し、救急搬送された病院で医師から「このままでは命に関わる」と告げられました。それでも退院後にまた飲んでしまった自分を見て、私は本当に絶望しました。母親なのに、子どもに会う資格もない、そう思っていました。転機は、娘からの着信でした。久しぶりに電話に出ると、娘は泣きながら「ママ、生きててくれてありがとう」と言いました。責められると思っていた私は、その言葉で崩れました。そこで初めて、ひとりで隠れて耐える方法では回復できないと認め、女性専用施設に相談しました。女性専用の環境は、私にとって想像以上に大きな意味がありました。夜間の不安、対人緊張、過去の怖い経験を、同じ女性スタッフに安心して話せること。感情が乱れる日でも「怖かったね」「今日はここまでで十分」と受け止めてもらえること。これまで何度も自分を責めてきた私にとって、その関わりは治療そのものでした。回復プログラムでは、断酒だけでなく、睡眠、食事、服薬、通院、金銭管理、対人関係の練習を一つずつやり直しました。再飲酒衝動が出た時の行動計画も、スタッフと一緒に紙に書いて、すぐ見える場所に貼りました。私はまだ「完了」ではありません。回復中です。けれど、今は朝起きて顔を洗い、食事を作り、約束の時間に通院し、困った時に助けを求めることができます。先月、子どもたちと再会した時、娘が「ママの目が前よりやさしい」と言ってくれました。その一言を支えに、私は母として、そして一人の人間として、これからの人生を丁寧に取り戻していきます。今苦しんでいる方にも伝えたいです。恥ずかしさより先に、まず相談してほしい。助けを求めた瞬間から、回復は始まります。
女性として生きる中で抱える痛みは、言葉にしにくいものが多くあります。だからこそ、安心できる場所と信頼できる支援者が必要でした。らぽーるで私が救われたのは、正論で責められなかったことです。「なぜできないのか」ではなく、「どうしたら今日を安全に過ごせるか」を一緒に考えてくれました。回復は劇的な一日ではなく、静かな一日の積み重ねです。今つらさの真ん中にいる方にも、どうか自分を見放さず、相談という選択をしてほしいです。あなたの人生にも、必ずやり直せる時間が戻ってきます。
—— 中村 美咲さん(38歳・仮名)
OUR STAFF
回復歴5年。20年間の薬物依存から回復し、現在は再発予防プログラムと生活支援を担当。「一人じゃない」を体感できる関わりを大切にしています。
回復歴3年。処方薬・違法薬物依存の経験を活かし、初期相談と日中活動支援を担当。体調・睡眠・食事のリズム再建に強みがあります。
回復歴1年半。債務整理や家族関係の再構築を経験し、金銭管理と就労定着の支援を担当。「小さな達成の積み重ね」を実践しています。
A. 障害福祉サービス受給者証をお持ちの方は自己負担額が軽減されます。詳しくは利用案内をご覧ください。
A. はい。ご家族だけのご相談も歓迎しています。まずは現状を丁寧に伺います。
A. はい。女性専用施設「らぽーる」をご利用いただけます。女性スタッフが常駐しています。
A. 依存症は回復できる病気です。適切な支援と環境、仲間とのつながりがあれば未来は変えられます。